一方、私道は、個人が持ち主となっている道路をいう。
といっても、一戸建てで門から玄関までの通路は私道ではない。
敷地の一部だ。
あくまでも、敷地から区切られ、土地の持ち主以外も通路として使う土地−それが私道だ。
例えば、Aさんの家の奥にBさんの家があり、Bさんは、Aさんの敷地を通らなければ、外に出られないとしよう。
この場合、BさんはAさんの敷地を通る権利があり、Aさんは勝手に通路をふさぐことができない。
この権利を法律では「囲続地通行権」という。
囲続地通行権では、通路の幅を2m以上にしなければならず、最低限の2mを採用する私道が多くなっている。
このようないきさつで使われている道路が、私道の代表例。
そのほか、最近増えている私道のパターンがある。
それは、大きな敷地を分割し、数戸の建売住宅を設けるときに生じるものだ。
図はその例。
大きな敷地を切り分け、5戸の建売住宅を設けたときの区画図だ。
中央の部分は、5戸が家に出入りするための通路。
この通路が私道になっているのだ。
通路を公道ではなく、私道にする理由はなにか。
実は、道路の幅が問題なのである。
公道として認められるためには、幅が4m以上なければならない。
しかし、4m幅の通路を設けると、5戸の区画が狭くなってしまう。
そこで、2、3m幅の通路を設け、私道として使うわけだ。
私道の持ち主は、5戸の所有者。
つまり、5戸の敷地から私道用の土地を均等に供出しているわけだ。
そして、私道用に供出している土地は、私道以外の目的で使わない、という協定が結ばれ、私道がなくなったり、狭くなることを防いでいる。
敷地の一部が私道になっている場合、このように「使用を制限される」つまり、自分の土地でありながら、勝手に使えないことが第1の問題点になる。
加えて、道路の管理を持ち主がしなければならない、という問題もある。
例えば、公道であれば、国や地方自治体が清掃や補修を行ってくれる。
が、私道は個人の持ち物なので、掃除やコンクリートがはがれたときの補修などは、持ち主が自分で行わなければならない。
そのため、敷地の一部に私道があるときはメンテナンスのための手間とお金がかかるわけだ。
「私道」があることは、建売住宅や土地のマイナスポイントになる。
そこで、私道のある土地は、その分、割安になるのが普通。
私道付きの土地や建売住宅を買うときには、その内容を確かめたうえで、買うかやめるかを決めるべきだ。
「セットバックあり」を知らないと、とんでもないことになる『中古の一戸建てを買うとき、「セットバックあり」という注意書きを目にすることがある。
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